新潟を拠点とする株式会社鈴木コーヒーが提供する「3種ブレンドお試しセットA」は、雪国特有の貯蔵庫「雪室」で熟成させた豆を含む飲み比べセットです。
きつねコーヒーメディア編集部お試しセットで100g×3袋も試せるのは非常にお得!
ECサイト上の情報だけでは、実際の香りや口当たり、雪室熟成による味の変化までは読み取れません。
本記事では、実際に100g×3袋のセットを取り寄せ、雪室熟成によるまろやかな甘みと、老舗ロースターが手掛ける定番ブレンドのコクを比較検証しました。毎日のコーヒータイムを格上げする銘柄選びの判断材料として、詳細なレビューをお届けします。
この記事でわかる内容
- 3種類のブレンドごとの詳細な味と香りの評価
- 雪室熟成珈琲と通常のブレンドの明確な違い
- それぞれの豆のポテンシャルを引き出す抽出方法
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執筆者情報


【執筆者情報】片山 勇大
焙煎士・コーヒーインストラクター2級
きつね珈琲メディア運営者。1997年生まれ、三重県在住。元プログラマーとして働く中でうつ病を経験し、退職後はライターやSEOディレクターとして活動。コーヒーに癒やされた原体験をきっかけに、独学で焙煎を学び「きつね珈琲焙煎所」を立ち上げる。現在は、食品衛生責任者とコーヒーインストラクター2級の資格を活かし、自家焙煎豆の販売やレビュー記事の執筆、SNS運用を行いながら、Shopifyを活用したオンラインショップを展開。「手をかけた味」を届けるため、焙煎・梱包・発送まで一貫して自身で担当している。コーヒーの魅力を多くの人に伝えるべく、実務経験に基づいた透明性のある情報発信を心がけている。


アラビカQグレーダー/エンジニア
きつね珈琲メディア 監修。1998年生まれ、小田原在住。 普段はエンジニアとして働きながら、大好きなコーヒーの活動に力を入れている。これまでに日本最大級のコーヒーイベント SCAJに出店したり、間借りでカフェを開いたりと、幅広くコーヒーの現場を経験してきた。現在は カフェクラウディアと共に、「コーヒーの楽しさ」を伝えるための活動をしている。
コーヒー豆「鈴木コーヒー3種ブレンドお試しセットA」の基本情報


鈴木コーヒーは、新潟県で長年にわたりコーヒー文化を支えてきた老舗ロースターであり、本セットは同社の技術が詰まった代表的なブレンドを楽しめる商品です。
特筆すべきは「雪室熟成」という製法で、天然の冷蔵庫である雪室でコーヒー豆を熟成させることにより、不快な香り(アルデヒド類)が軽減され、まろやかな味わいが生まれます。
鈴木コーヒーの「雪室珈琲」は、雪国・新潟の伝統技術「雪室」を活用してコーヒー豆を低温熟成させた逸品です。雪室は0℃・湿度90%以上の安定した環境で、電気や光の影響を受けず、ストレスのない“静置”状態で豆を熟成。
雑味や苦味が和らぎ、甘みとまろやかさが引き出されます。味わいは角の取れた上品でまろやかなコクがあり、飲みやすさと豊かな風味を兼ね備えています。
新潟市土産コンクール金賞や観光庁の推奨商品にも選ばれた実績を持ち、全国的にも評価の高いプレミアムコーヒーです。雪という自然エネルギーを活用したサステナブルな製法も魅力です。
参考サイト:雪室珈琲 | SUZUKI COFFEE
以下に、今回レビューするお試しセットAの特徴を整理しました。
| 項目 | 内容 |
| 商品名 | 鈴木コーヒー 3種ブレンドお試しセットA (¥1,000 (税込)初回限定) |
|---|---|
| ロースター/販売店 | 株式会社鈴木コーヒー |
| 産地(国/地域) | ブラジル、コロンビア、エチオピア他(ブレンドによる) ・雪室珈琲100グラム ブラジルサントスがメイン。雪室熟成のないまろやかさと、深煎りのコク。 ・鈴木珈琲本店ブレンド100グラム 創業以来愛される王道の味。 ・鈴木コーヒーハウスブレンド100グラム 花のような甘い香りと酸味。気分も華やぐ一杯。 |
| 農園/生産者 | 指定農園(ブレンドにより異なる) |
| 品種 | アラビカ種 100% |
| 精製方法 | ウォッシュド、ナチュラル他 |
| 標高 | 各産地による |
| 焙煎度 | 中煎り(ハイロースト)〜中深煎り(シティロースト) |
| 内容量・価格 | 100g×3袋/1,620円(税込・送料込 ※記事執筆時点) |
| 公式のフレーバーノート | マイルド、ナッツ、ビターチョコレート |
結論|味の特徴を一言でいうと
雪室熟成ならではの角が取れたまろやかな口当たりと、温度変化で増す甘みが最大の魅力です。
対照的にオリジナルブレンドは王道の苦味と香ばしさを備えており、朝の目覚めやスイーツとのペアリングに最適。3種それぞれの個性が明確で、シーンごとの飲み分けを楽しめる構成になっています。
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実際に飲んだ味レビュー(香り→温度変化→余韻)
本項では、セットに含まれる「雪室珈琲オリジナルブレンド」を中心とした3種類の香味の変化について、抽出工程ごとに詳細にレビューします。
香り(挽いたとき/抽出中/飲む直前)
パッケージを開封し、豆を中挽きにした瞬間に立ち上がる香りは、3種類それぞれに明確な個性があります。


特に「雪室珈琲」は、一般的な深煎り豆にありがちな焦げ臭さが一切なく、どこか湿度を含んだような落ち着きのあるナッツ系の香ばしさが特徴です。


湯を注ぎ蒸らしの工程に入ると、部屋全体に広がるアロマは非常に穏やかで、刺激的な要素が削ぎ落とされていることが嗅覚からも伝わります。
一方、セットに含まれる「鈴木珈琲コーヒーハウスブレンド」「鈴木珈琲本店ブレンド」は、対照的に輪郭のはっきりしたビターチョコレートのような力強い香りを放ちます。


抽出中のドリッパーから立ち昇る蒸気には、ロースト由来の香ばしさが色濃く反映されており、飲む前から満足感を得られるタイプです。
3種を比較すると、雪室熟成がもたらす香りの円熟味と、通常の焙煎豆が持つフレッシュな香ばしさの違いが顕著に現れます。
この香りのコントラストこそが、飲み比べセットを購入する最大のメリットであり、抽出時間そのものを豊かな体験に変える要素です。
ひと口目の印象(アタック)
抽出したコーヒーを口に含んだ瞬間、最初に感じるのは「雪室珈琲」の驚くほど滑らかな液体のアタックです。


通常、焙煎から日が浅い豆や深煎りの豆は舌にピリッとした刺激(雑味や過度な苦味)を感じることがありますが、このコーヒーにはその抵抗感が全くありません。
雪室での熟成過程で発生する「アルデヒド類(不快な臭気成分)」の減少が、味覚にも直接的な影響を与えていると推測されます。
酸味は極めて控えめで、ファーストインプレッションは「優しい」という言葉が最も適しています。
しかし、単に薄いわけではなく、ベースにはしっかりとしたコーヒーの骨格が存在します。
対して「鈴木珈琲本店ブレンド」を飲むと、苦味が舌の奥を刺激し、クラシックな喫茶店で提供されるような安心感のある味わいが広がります。


アタックの明確な違いは、朝の目覚めにはオリジナル、リラックスタイムには雪室といった具合に、飲むシチュエーションを自然と決定づけるほどの差となります。同じロースターが手掛けていながら、アタックの強弱がこれほどコントロールされている点は特筆すべき評価ポイントです。
中盤の味わい(ボディ・質感)
コーヒーが口の中で温度馴染んでくると、中盤の味わいである「ボディ(質感)」の違いがより鮮明になります。
「雪室珈琲」の質感は、サラサラとした水っぽさとは異なり、シロップのようなとろみを帯びたミディアムボディです。舌の上で転がすと、熟成によって引き出された微細な甘みが徐々に広がり、角のないまろやかさが口腔内全体を包み込みます。
高品質な日本酒が持つ「水のような口当たり」にも似ており、飲み疲れしないバランスの良さが際立ちます。
一方で、セット内の他のブレンドは、より重厚感のあるフルボディ寄りの質感を持ち合わせています。
「鈴木珈琲本店ブレンド」は舌にしっかりとした重量感を残し、ミルクや砂糖を加えても負けない強さを持っています。
ブラックで飲んだ際の質感の違いを楽しむのも一興ですが、このボディの強弱を利用して飲み方を変えるのもおすすめです。
雪室珈琲はブラックでその繊細なとろみを楽しみ、他のブレンドはカフェオレにしてコクを楽しむという使い分けができるため、1セットで多様なコーヒー体験が可能になります。
後味(余韻・キレ)
飲み込んだ後に残る余韻(アフターテイスト)は、そのコーヒーの品質を決定づける重要な要素です。「雪室珈琲」の余韻は長く、かつ非常にクリーンです。
飲み終わった直後に嫌な苦味や渋みが舌に残ることはなく、代わりにカカオ分が高いチョコレートを食べた後のような、ほろ苦くも甘い感覚が持続します。
「甘い余韻」こそが雪室熟成の真骨頂であり、次の一口をすぐに欲しくさせる要因となっています。
温度が下がってくるとこの甘みはさらに増し、冷めたコーヒー特有の酸っぱさを感じさせないため、時間をかけてゆっくりと飲むスタイルに適しています。
対照的に「鈴木珈琲本店ブレンド」のキレは鋭く、飲んだ後の口内をリセットするような爽快感があります。
苦味はスッと消えていき、作業の合間のリフレッシュとして最適なフィニッシュです。
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【レビュー】鈴木コーヒー3種の雪室熟成&定番ブレンド 100g×3袋が向いている人/向いていない人
鈴木コーヒーの「3種ブレンドお試しセットA」は、雪室熟成という特殊なプロセスを経ているため、一般的なコーヒー豆とは異なる特徴を持っています。
そのため、購入後に「思っていた味と違う」というミスマッチを防ぐためにも、自身の好みと商品の特性を照らし合わせることが重要です。
特に、スペシャルティコーヒーの流行である「強烈な酸味」や「果実味」を求める層と、昔ながらの「喫茶店の味」や「マイルドさ」を求める層では、評価が大きく分かれる傾向にあります。
以下に、本商品が推奨されるユーザーとそうでないユーザーの特性を表にまとめました。
| 向いている人(おすすめのユーザー) | 向いていない人(購入を避けるべきユーザー) |
| 酸味や雑味が苦手で、まろやかな口当たりを好む人 | ゲイシャ種のような強烈なフローラル・酸味を求める人 |
|---|---|
| 新潟独自の「雪室熟成」というストーリーを楽しみたい人 | 100gあたり300円以下のコストパフォーマンスを最優先する人 |
| 家族で飲み比べを楽しみたい、またはギフトを探している人 | ガツンとした苦味のみを重視し、繊細な甘みに関心がない人 |
マイルドで飲みやすいコーヒーを求めている人に最適
本セットの最大の特徴は、雪室熟成によって実現された「角の取れた味わい」です。コーヒー特有の刺激や、冷めた時に感じる不快な酸味が極限まで抑えられているため、胃への負担を感じずに何杯でも飲み続けたいという人に最適です。
また、苦味と酸味のバランスが中庸であるため、ブラックコーヒー初心者や、普段はミルクを入れて飲む人が「これならブラックで飲める」と感じるケースも少なくありません。
毎日の生活に馴染む、主張しすぎない上質な定番コーヒーを探している場合には、これ以上の選択肢はないと言えます。
尖った個性を求める層には物足りない可能性も
一方で、近年流行している浅煎りのシングルオリジン(単一農園)のような、果汁を思わせる鮮烈な酸味や、強烈な個性を期待すると肩透かしを食う可能性があります。
自身のコーヒーに対するスタンスが「日常の癒やし」なのか「刺激の探求」なのかを見極めることが、満足度を高める鍵となります。
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まとめ:【レビュー】鈴木コーヒー3種の雪室熟成&定番ブレンド 100g×3袋|雪室珈琲の評判も解説
本記事では、新潟の老舗・鈴木コーヒーが手掛ける「3種ブレンドお試しセットA」について、雪室熟成の味わいを中心に徹底レビューしました。
雪の力で熟成されたコーヒーは、単なる保存方法の違いという枠を超え、味覚に明確な「まろやかさ」と「甘み」をもたらしています。
朝の目覚めにはキレのあるオリジナルブレンドを、午後のリラックスタイムには雪室珈琲を選ぶことで、1日の時間の流れにメリハリをつけることが可能です。
- 雪室熟成珈琲は、不快な香りや雑味が削ぎ落とされ、冷めても甘い極上のマイルドさを持つ
- 3種類のブレンドはそれぞれキャラクターが異なり、シーンに合わせた飲み分けが可能である
もしあなたが、毎日のコーヒーに「刺激」ではなく「癒やし」と「安心感」を求めているのであれば、このセットは間違いなく試す価値のある一杯となります。
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