香り高くまろやかな味わいが魅力のブルーマウンテンコーヒー。
その特別な一杯に心を奪われた経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし同時に「なぜブルーマウンテンコーヒーはこんなに高いのか？」と疑問を持つ方もいるでしょう。
ブルーマウンテンコーヒーが高い理由は、単なる希少性だけでは語れません。本記事では、ブルーマウンテンコーヒーが高い理由を6つの視点から徹底解説。さらに「本物の選び方」や「おいしく飲むためのコツ」も分かります。
ぜひ参考にしてください。
執筆者情報
関西在住のアラサー。コーヒー沼にハマり、自家焙煎コーヒー豆を買い漁る毎日。好きなコーヒー銘柄はエチオピアのイルガチェフェ。
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ブルーマウンテンコーヒーはなぜ高いの？
世界中のコーヒー愛好家から「コーヒーの王様」と称されるブルーマウンテンコーヒーですが、「なぜこんなに高いの？」と思う方も多いと思います。
価格が高い要因には、以下の6つの特徴があります。
- 過酷な栽培環境
- 生産量が少ない
- 手作業による収穫
- 厳しい等級の格付け
- ブルーマウンテンコーヒーのブランド力
- 希少性と需要のバランス
詳しく解説していきますね。
特徴①過酷な栽培環境
ブルーマウンテンコーヒーは、ジャマイカ東部にあるブルーマウンテン山脈の標高800〜1,200メートルの「ブルーマウンテンエリア」と呼ばれる限られたエリアで栽培されています。
周辺は昼夜の寒暖差が激しく、霧が立ちこめやすい気候です。
この厳しい環境が甘みと酸味のバランスが取れた高品質なブルーマウンテンコーヒーを生み出す一方で、栽培には時間がかかり、大量生産は困難。
結果として希少性が高まり、価格が高くなってしまいます。
特徴②生産量が少ない
ブルーマウンテンコーヒーは、世界のコーヒー豆全体の中でも少量しか生産されていません。
ブルーマウンテンコーヒーの栽培地域である「ブルーマウンテンエリア」は面積が限られているため、大量生産は不可能。
気候条件が悪い年には収穫量が激減することもあり、市場に出回る量は常に不安定です。
供給の不安定さが価格に直結し、ブルーマウンテンコーヒーが高価になる大きな要因となっています。
特徴③手作業による収穫
ブルーマウンテンコーヒーの収穫は、ほとんどが人の手によって行われています。
斜面の急な山岳地帯では機械の使用が難しいためです。
熟した実だけを見極めて収穫するには熟練の技術と膨大な手間が求められます。
こうした人件費や作業時間が価格に反映されるため、高価にならざるを得ないのです。
特徴④厳しい等級の格付け
ジャマイカ農産品規制公社（JACRA）は、ブルーマウンテンコーヒーに対して厳格な格付け制度を設けています。
サイズや重量、水分量、欠点豆の混入率など、細かい基準をクリアしなければ「ブルーマウンテンコーヒー」を名乗れません。
豆の等級は以下の表の通り細かく分類されています。
| 等級 | 特徴 |
|---|---|
| No.1 | 最上級グレード。ごく一部しか該当せず、最高価格帯。 |
| No.2 | No.1に次ぐクラス。味・見た目ともに高水準。 |
| No.3 | 上位2段階より許容範囲が広く、価格も若干控えめ。 |
| ピーベリー（Peaberry） | 変種的な形状・希少性あり。単一ロットとして扱われることも。 |
| トライアージュ（格外） | 「ブルーマウンテン」ブランドを名乗るが、上位規格とは区別される。 |
きつねコーヒーメディア編集部厳蜜な管理によって品質が守られているため、価格も高くなるのですね。
特徴⑤ブルーマウンテンのブランド力
ブルーマウンテンコーヒーは長年にわたって、「高級・希少・上質」のイメージを確立してきました。
特に日本ではブランド価値が高く、多くの百貨店や高級喫茶店で取り扱われています。
ジャマイカ政府は輸出管理を徹底しており、無認可のコーヒー豆は「ブルーマウンテンコーヒー」を名乗れません。
ブランド全体を守る仕組みが整っているため、他のコーヒーと比べても価格は高止まりしやすくなっています。
特徴⑥希少性と需要のバランス
供給が極めて限られている一方で、世界中に熱烈なファンを持つブルーマウンテンコーヒー。
特に日本では、バブル期に高級コーヒーとしての認知が進み、「特別な贈り物」や「自分へのご褒美」として根強い人気を誇ります。
高まる需要に対して供給が追いつかない状態のため、価格が高騰しています。
ブルーマウンテンコーヒーがおいしいと言われる理由
ブルーマウンテンコーヒーが世界中の愛飲家からおいしいと言われる理由は、芳醇な香りや風味の深さ、クリーンな後味にあります。
ここでは、ブルーマウンテンコーヒーが「なぜおいしい」と評価されるのか、5つの理由を解説します。
【理由①】酸味・甘み・苦味のバランスが完璧
ブルーマウンテンコーヒー最大の魅力は、酸味・甘み・苦味が調和した“黄金比”ともいえる味わいにあります。
どれか一つが強調されるのではなく、すべてがやわらかく口の中に広がる感覚が特徴です。
多くの高級コーヒーは酸味やコクに偏りがちですが、ブルーマウンテンコーヒーはバランス重視の味わい。
飲み手を選ばない上質なブルーマウンテンコーヒーは、価格以上の満足感を与えてくれます。
【理由②】雑味のないクリーンな後味
ブルーマウンテンコーヒーを口にしたとき、多くの人が驚くのは「澄んだ後味」です。
飲み終わった後は余計な渋みや苦みが残らず、スッと消えるような透明感。
手摘みによる選別精度の高さや、発酵・洗浄といった丁寧な精製が後味の良さを生み出しています。
雑味がないので最後の一口まで飽きずに楽しめます。
【理由③】香りが豊かで持続性がある
淹れた瞬間に広がる香りの豊かさも、ブルーマウンテンコーヒーの魅力。
ナッツやフローラルの香りに甘いアロマが重なり、立体的で上品な香りが漂います。
他のコーヒーと異なり、ブルーマウンテンコーヒーは香りが長く残ります。
持続性のある香りは、味覚だけでなく嗅覚にも満足感を与えてくれますね。
【理由④】高地特有のゆっくり熟成による風味の深さ
ブルーマウンテンコーヒーが栽培される標高1,000m前後の高地では、昼夜の寒暖差が大きく、豆の成熟には時間がかかります。
しかし「ゆっくり」とした熟成こそが、味に深みと複雑さをもたらします。
時間をかけて蓄えられる栄養や糖分によって、苦味の角が取れ、奥行きのある風味が生まれます。
自然の力でゆっくり育った「深みのある味わい」が、他のコーヒーと一線を画すおいしさの理由です。
【理由⑤】徹底した品質管理
ブルーマウンテンコーヒーは、栽培から輸出に至るまで一貫した品質管理が徹底されています。
ジャマイカ農産品規制公社（JACRA）が厳格な検査を行い、ブルーマウンテンコーヒーとして出荷できるのは、ごく一部の高品質な豆のみ。
格付けの基準は非常に細かく、豆のサイズ、重量、欠点数などが規定値を下回ると、すぐに格外とされます。
品質に一切妥協のない体制が、ブルーマウンテンコーヒーの味を守っています。
ブルーマウンテンコーヒーの正しい選び方
ブルーマウンテンコーヒーは非常に高価であるがゆえに、「せっかくなら本物を味わいたい」と考える方が多いのではないでしょうか。
市場にはブレンド品や類似品も多く流通しており、正しい知識を持たずに購入すると失敗する可能性も。
ここでは、本物の味の選び方を5つのポイントに分けて解説します。
選び方1｜正規販売（輸入）店で購入する
ブルーマウンテンコーヒーは正規販売（輸入）店からの購入がおすすめです。
厳格に品質が管理され、正規ルートを経た商品には、その証であるジャマイカ農産品規制公社（JACRA）の認証が付いています。
認証のない輸入品や格安で販売されている商品には、品質の低い豆や偽物が含まれているリスクもあります。
正規販売（輸入）店で購入し、安心して本物の味を楽しみましょう。
選び方2｜最高級品を飲むなら格付け「No.1」の商品を選ぶ
ブルーマウンテンコーヒーには、収穫された豆の品質に応じて格付けがあり、最上級が「No.1」です。
大きさや形が均一で、風味・香りともに理想的な豆がこの等級に分類されます。
「No.2」や「No.3」の等級も市場に出回っており、価格はやや安めですが、最高級の味わいを求めるなら迷わず「No.1」を選ぶのが正解。
購入時にはパッケージや販売サイトの情報に「No.1」の記載があるか確認してください。
選び方3｜「JAMAICA BLUE MOUNTAIN COFFEE 100%」の表記を確認する
「ブルーマウンテンブレンド」という表示の商品も多く見かけますが、実際にはブルーマウンテンコーヒーの使用率が30％程度のことも。
ブルーマウンテンコーヒー100％の純粋な味を楽しみたいなら、「JAMAICA BLUE MOUNTAIN COFFEE 100%」と明記された商品を選びましょう。
この表記は、ジャマイカ政府の定める厳しい基準を満たした豆だけに許された、品質と信頼の証です。
きつねコーヒーメディア編集部類似商品に惑わされないように注意してくださいね。
選び方4｜木樽入り（バレル）商品は信頼性が高い
ブルーマウンテンコーヒーは、「木樽（バレル）」に詰めての輸出が伝統です。
木樽（バレル）は香りや湿度の管理にも優れ、豆の品質を保つのに役立つためです。
中には小さな木樽（バレル）に詰められたブルーマウンテンコーヒーを扱うお店も。
高級感のある見た目はギフトにもおすすめです。
選び方5｜焙煎日・鮮度をチェックして購入する
どれほど高級な豆でも、鮮度が落ちていては本来の香りや味わいが失われてしまいます。
ブルーマウンテンコーヒーのような繊細な味わいの豆こそ、焙煎後の鮮度が重要。
購入の際は新鮮な豆を選び、ブルーマウンテンコーヒー本来の味を楽しみましょう。
余った豆は密閉容器に入れて冷暗所で保存可能ですが、なるべく早めに飲むのが1番です。
ブルーマウンテンコーヒーをおいしく飲む方法
高価で希少なブルーマウンテンコーヒーを手に入れたなら、その魅力を最大限に引き出して味わいたいですね。
どんなに高品質な豆でも、抽出方法や保存状態によって風味は大きく変化します。
ここでは、ブルーマウンテンコーヒーをよりおいしく飲むための5つの実践方法を紹介します。
方法① 焙煎はミディアムロースト（中煎り）がおすすめ
ブルーマウンテンコーヒー本来の魅力は、繊細な酸味と滑らかな甘み、そしてクリーンな後味のバランスにあります。
この風味を最大限に引き出すには、焙煎の度合いが重要です。
おすすめはミディアムロースト（中煎り）。
ライトロースト（浅煎り）では酸味が立ちすぎてしまい、ダークロースト（深煎り）ではせっかくの香りや透明感が損なわれてしまいます。
中煎りにすることで、味わいの調和が保たれ、ブルーマウンテンコーヒーらしさを存分に堪能できます。
きつねコーヒーメディア編集部購入の際は、焙煎度をチェックしてみてくださいね。
方法② 豆を挽くタイミングは「淹れる直前」がベスト
挽きたての香りこそ、ブルーマウンテンコーヒーの醍醐味。
コーヒー豆は空気に触れると酸化が進み、香りや味が劣化していくため、豆を挽くタイミングは「淹れる直前」が理想です。
あらかじめ粉の状態で保存しておくと、風味を逃してしまい、せっかくのブルーマウンテンコーヒーが本来の味を発揮できません。
コーヒーミル（豆を挽く道具）を使ってその都度挽くことで、香り高く、奥行きのある一杯に仕上がります。
方法③ ハンドドリップでブルーマウンテン本来の味わいを引き出す
ブルーマウンテンコーヒーの上質な味わいを丁寧に抽出するには、ハンドドリップが最適です。
ペーパーフィルターを使うことで雑味が抑えられ、豆の持つ繊細な香りと風味がストレートに表現されます。
ハンドドリップのポイントは以下の2つ。
- お湯の温度は90〜92℃が目安。熱すぎると苦味が出やすくなります。
- 最初に少量のお湯で豆を20秒程蒸らしてから、数回に分けてゆっくり注ぐ。
淹れ方ひとつで、ブルーマウンテンコーヒーの味わいをより楽しめます。
方法④ まずはブラックで味わう
ブルーマウンテンコーヒーの本質を知るには、まずブラックで飲むのがおすすめ。
ミルクや砂糖を加える前に、一口目はそのまま味わってみてください。
柔らかな酸味と雑味のない澄んだ後味、ふくよかな香りが舌と鼻を通じて広がります。
ブラックで飲むと、豆の品質の高さを実感できると同時に、自分の好みも把握しやすくなります。
そのうえで必要に応じてミルクやシュガーを加えると、自分にとっての「おいしい一杯」に出会えるはず。
贅沢な味わいを、まずはそのままで。
方法⑤ 豆の鮮度を保つ保存方法にも注意
ブルーマウンテンコーヒーの品質を維持するには、適切な保存も欠かせません。
開封後の豆は、空気、湿気、光、熱の影響を受けやすく、保存状態が悪いと短期間で劣化してしまいます。
理想は密閉できる遮光容器に入れ、冷暗所での保存。
まとめ買いではなく、飲みきれる量をこまめに購入するのもいいですね。
きつねコーヒーメディア編集部鮮度を保つことで、ブルーマウンテンコーヒー本来の魅力を楽しめます。
ブルーマウンテンがなぜ高いかについてよくある質問（FAQ）
ブルーマウンテンコーヒーの価格や品質に関して、疑問を持つ方は多いです。
ここでは、よくある質問をもとに、ブルーマウンテンがなぜ高いのか、そして選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。
なぜ、ブルーマウンテンは樽で輸出するのですか？
ブルーマウンテンコーヒーが木製の樽に詰められて輸出されるのは、品質保持と伝統を守るためです。
木製の樽は通気性がありつつも遮光性が高く、コーヒー豆の劣化を防ぎやすいという特性があります。
ジャマイカでは古くから、湿気や衝撃からコーヒー豆を守るために木樽が使われてきました。
ブルーマウンテンが日本人に人気があるのはなぜ？
ブルーマウンテンコーヒーが日本で高い人気の理由は、日本人の味覚との親和性の高さです。
ブルーマウンテンコーヒー特有の「酸味・甘み・苦味のバランスが整ったまろやかな味わい」は、強い苦味や酸味を好まない日本人にとって非常に飲みやすく、贅沢感がありながらも日常に馴染みやすい点が支持されています。
海外ではブルーマウンテンの人気は高くないですか？
ブルーマウンテンコーヒーは世界的にも評価の高い豆ですが、消費量においては日本が圧倒的です。
実際、ジャマイカからの輸出量の65％〜80%は日本向けとされています。
海外では、コーヒーの多様化が進み、エチオピアやコロンビア、ケニアなどの個性豊かな豆が人気を集めています。
酸味や香りの強さが重視される傾向があり、ブルーマウンテンコーヒーのような上品で中庸な味わいは、ややクラシックな位置づけとされることもあります。
しかし品質の高さに変わりはなく、世界のバリスタや専門家からも一目置かれる存在です。
コンビニのブルーマウンテンはおいしいの？
コンビニで販売される「ブルーマウンテンブレンド」はリーズナブルにブルーマウンテンコーヒーの雰囲気を味わえます。
多くの場合、他のコーヒーとの「ブレンド品」であり、純粋なブルーマウンテンコーヒーの味を期待すると物足りなさを感じるかもしれません。
本物の味を体験したいなら、「JAMAICA BLUE MOUNTAIN COFFEE 100%」と明記された商品を選ぶのが確実です。
偽物やブレンド品を見分ける方法は？
ブルーマウンテンコーヒーを選ぶ際は、パッケージや販売元の情報をよく確認することが大切です。
以下のポイントをチェックしましょう。
- 「JAMAICA BLUE MOUNTAIN COFFEE 100%」の表記があるか
- ジャマイカ政府機関「JACRA」の認証マークがあるか
- 格付け（No.1・No.2など）が明記されているか
- 正規輸入元の記載があるか
「ブレンド」や「風味」、「使用」など曖昧な表記の場合は、純度が低い可能性があります。
信頼できる専門店や公式通販での購入が安心です。
ブルーマウンテン以外の高級コーヒーは？
ブルーマウンテンコーヒー以外にも、世界には多くの高級コーヒーが存在します。
以下に代表的な高級コーヒーを紹介します。
それぞれ個性があり、ブルーマウンテンコーヒーとは異なる魅力を持っています。
| 高級コーヒーの名称 | 特徴 |
|---|---|
| ハワイ・コナコーヒー | ハワイ島の火山地帯で育つ、甘みと柔らかさのある希少豆。 |
| パナマ・ゲイシャ | ジャスミンのような香りと明るい酸味が特徴。 |
| エチオピア・イルガチェフェ | フローラルな香りと果実味が豊かで、浅煎りに最適。 |
| ジャコウネココーヒー | 希少性と独特な製法で知られるインドネシア産の高級豆。 |
きつねコーヒーメディア編集部興味がある方はチャレンジしてみてください。
【実飲】1杯1,800円の高級ブルーマウンテンコーヒーを飲んだ
というわけで横浜の「コーヒーバーブルーマウンテン」にやってきました。
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