「なぜ、このコーヒーだけが特別なの?」
毎朝のコーヒーを楽しみにしているあなたは、きっと世界中の様々なコーヒーを試してきたはずです。でも、ベネズエラコーヒーとは何か、その魅力について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
実は、このコーヒーには他の産地では味わえない魅力が隠されています。伝統的な製法を守り続ける生産者たちが丹精込めて育てた豆には、驚くほど豊かな香りと、やさしい口当たりが特徴です。
この記事では、ベネズエラコーヒーの知られざる魅力と、あなたのコーヒータイムをより特別なものにする方法をご紹介します。
好きなコーヒー銘柄 コスタリカジャガーハニー、モカなど
コーヒーは1日3~5杯は飲んでいます。好きな時に飲みたいのでハンドドリップ派。ブラックかカフェオレ(砂糖なし)が好きです。酸味よりコク重視。
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ベネズエラコーヒーの基本情報
ベネズエラ・ボリバル共和国(通称ベネズエラ)は南米に位置し、その優れた栽培環境と伝統的な生産技術により、独特の風味と品質を持つコーヒーを生み出しています。
高地での栽培に適した気候と肥沃な土壌を活かし、特にアラビカ種の生産が行われています。以下では、ベネズエラコーヒーの詳細な特徴や、その魅力的な味わいについて詳しく解説していきます。
ベネズエラコーヒーとは
ベネズエラコーヒーは、アンデス山脈の標高600〜1,600mに位置する産地で栽培される高品質なアラビカ種です。特にメリダ州、タチラ州、スリア州での生産が盛んで、豊かな火山性土壌と温暖な気候、適度な降雨量のコーヒーに適した環境で育てられます。
有機栽培や手作業による収穫にこだわる生産者も多く、環境に配慮した持続可能なコーヒー生産が特徴です。
ベネズエラコーヒーの歴史
1730年代にスペイン人神父によって、ベネズエラにコーヒーが持ち込まれて以来、発展を続けてきました。以降のベネズエラコーヒーの歴史は、ベネズエラの国家の歴史とシンクロしています。
1730年から | イエズス会の神父によって栽培がスタート1784年から本格的な生産が始まった1793年には大きな農園も作られる |
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1811年から | ベネズエラがスペインから独立コーヒー生産量が世界の3分の1を占める |
1830年 | ベネズエラ共和国として独立 |
1920年代以降 | 油田が発掘され、石油産業が経済の柱となるコーヒー産業が徐々に勢いを失ってくる |
1999年 | 新憲法発効、国名がベネズエラ・ボリバル共和国となる |
現在 | 年間約6万トンのコーヒー豆を生産しているほとんどがベネズエラ国内で消費される |
1810年代からは品質向上に力を入れ、欧米市場での評価を高めてきましたが、20世紀前半には石油産業の台頭により一時生産量が減少しています。ベネズエラの産出する石油資源は、以下の通りです。
べネズエラは、世界有数の石油産出国であり、同国経済は、石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は、オリノコ川北岸の超重質油(オリノコタール)も含め、3,038億バレル(2020年、BP統計(2021))と世界第1位を誇る。(引用:外務省/ベネズエラ基礎データ)
近年コーヒーの輸出は落ち込んでいましたが、原油価格の下降などに伴い再びコーヒー栽培が注目されてきており、品質重視の少量生産スペシャルティコーヒーの地位を築きつつあります。
ベネズエラコーヒーは合同会社コーヒールンバにより、2023年に日本市場に22年ぶりに輸入されるなど、再評価されてきています。
ベネズエラのコーヒー産地と特徴
ベネズエラにおいてメリダ州、タチラ州、スリア州などの地域が主要なコーヒー産地です。それぞれの産地の違いをご紹介します。
地域 | 特徴 |
メリダ州 | 標高900~1,200m ベリーやナッツ系の風味が感じられる |
タチラ州 | 高品質な豆が栽培されている酸味が少なくコクのある風味 |
スリア州 | 「マラカイボ」という銘柄が有名しっかりした苦みを感じさせる |
この他にも、トルヒーヨ地域では、深い甘みを持つ豆が生産され、東部地域では「カラカス」という銘柄のフルーティーな風味の豆が栽培されています。
各産地の気候や土壌の違いが、それぞれ独自の味わいを生み出しているのですね。
ベネズエラコーヒーの味わいと魅力
ベネズエラコーヒーの最大の特徴は、酸味が少なく甘みが強い飲みやすさにあります。コクがありつつ香りも豊か、繊細な酸味が特徴的です。以下では、その独特の味わいの特徴や、豆の選び方、他の中米産コーヒーとの違いなどを詳しく解説していきます。
ベネズエラコーヒーのアロマと風味
適度な甘みとやさしい口当たりが特徴で、カカオやナッツを思わせる香ばしい香りが特徴です。やわらかな酸味とコクのバランスが良く、後味にはキャラメルのような心地よい甘みが残ります。
特にメリダ産は、フルーティな香りとチョコレートのような風味が調和した、優雅な味わいを持っています。メリダ産は一般市場では入手が難しく、希少価値が高いのが現状です。
ベネズエラコーヒー豆の選び方
新鮮な豆を選ぶことが最も重要です。新鮮な豆選びのポイントは次のようになっています。
豆の鮮度 | 焙煎日から2週間以内単一農園産(ひとつの農園で生産・収穫されたもの) |
豆の外観 | 均一で艶があり、欠点豆が少ないもの |
焙煎度 | 自分の好みに合わせて焙煎度が選べるもの |
豆選びからしっかりと押さえておくと、コーヒーの味も一段とおいしくなるのでおすすめです!
ほかの中米産のコーヒーとの違い
中米産のコーヒーが一般的に明るい酸味と爽やかさを特徴とするのに対し、ベネズエラコーヒーは酸味が少なく、より深いコクと豊かなボディを持ちます。以下で簡単に比較します。
国 | 風味 | 香り |
ベネズエラ | 軽い酸味があり苦みが強い | チョコレート |
グアテマラ | 明るい酸味 | ナッツ、フローラル |
エルサルバドル | 明るい酸味と甘み | 紅茶 |
エクアドル | マイルドな味わい | ナッツ |
ホンジュラス | 軽やかな口当たり | 甘い |
同じアラビカ種の豆でもベネズエラコーヒーは酸味の控えめな点で、より深く複雑な味わいとなっているのが重要な違いです。
おすすめの焙煎度合い
ベネズエラコーヒーは中深煎り〜深煎りが最も適しています。
中深煎りでは豆本来の風味と適度な酸味を楽しむことができ、深煎りではチョコレートのような深い味わいと豊かなコクを引き出すことができます。特に高地産の豆は、シティローストからイタリアンローストの範囲で最も魅力的な味わいを発揮します。
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おすすめのベネズエラコーヒー豆・粉6選
ベネズエラコーヒーの中でも、品質の高い厳選された豆をご紹介します。各商品は、生産地や製法にこだわり、その土地ならではの特徴を最大限に引き出した逸品ばかりです。以下では、実際に入手可能な商品を具体的にご紹介していきます。
CRUISE TOWN COFFEE ROASTERSのピンクブルボン・ウォッシュド・チャンピオンロット
ベネズエラメリダ州で栽培された希少なピンクブルボン種を使用した逸品です。ムクカイ農園のウォッシュド精製により、花のような香りと繊細な酸味、なめらかな甘み、チョコレートを思わせる風味が魅力的な豆に仕上がっています。
100gで3,800円のスペシャルティコーヒーです。
AVPA(フランス農産物振興庁=The Agency for the Valorization of Agricultural Products)が主催の「第8回 Coffee Roasted at Origin AVPA-PARIS 2022 国際コンテスト」受賞歴もある生産者が手掛けています。(公式サイト:CRUISE TOWN COFFEE ROASTERS)
CRUISE TOWN COFFEE ROASTERSのゲイシャ・ウォッシュド
ムクカイ農園からお届けする、個性的な香りのゲイシャ種を、ウォッシュド製法で丁寧に仕上げた珠玉の一品です。ジャスミンのような華やかな香りと、はちみつを感じさせる甘み、透明感のある味わいが特徴です。
100gで3,800円(税込)のスペシャルティコーヒーです。
WCC(World Coffee Challenge)マドリード「南米コーヒー」部門 第3位入賞の力作で希少品です。(公式サイト:CRUISE TOWN COFFEE ROASTERS)
CRUISE TOWN COFFEE ROASTERSのカトゥーラ・ブラックハニー
パラミート農園がブラックハニー製法により、華やかなフローラルの香りと果実の甘みを最大限に引き出した逸品です。濃厚な甘みとまろやかなボディ、カカオのような深い風味が特徴です。
ベネズエラは22年間、コーヒーの輸出をストップしていましたがこちらは解禁後最初のロットとなる記念すべきコーヒーです!
こちらは100g1,480円(税込)とややお手頃価格となっていますが、希少なロットなのでご希望の方はお早めにお求めくださいね!
後味に残る心地よい甘みは、デザート感覚でも楽しめます。(公式サイト:CRUISE TOWN COFFEE ROASTERS)
CACAO sharesのコーヒー生豆ベネズエラ
メリダ州の厳選された生豆を直輸入しています。現地の生産農家から直接買い付ける形で、フェアトレードでのコーヒー市場拡大を進めています。
500gからの購入で、2,042円(税込)です。
自家焙煎を楽しむ方向けに、有機・無農薬栽培による高品質な生豆を提供しています。完熟した実のみを手摘みで収穫するスタイルで、ベリー系の酸味と甘さ、ナッツの香りを持つバランスの取れたコーヒー豆になっています。(公式サイト:CACAO shares)
CACAO sharesのベネズエラコーヒードリップセット
メリダ州のベネズエラコーヒーをとりあえず飲んでみたい方におすすめなのが、こちらのドリップバッグセットです。オフィスでも、アウトドアでも手軽に本格的なベネズエラコーヒーを楽しめます。
シングルドリップ(12g)6セットが1,382円、20セットが3,985円で購入できます(2024年11発10日時点では品切れ中)。プレゼントにも喜ばれそうなので、今後の入荷が期待されます!
中煎りで豆本来の風味を活かした焙煎により、バランスの取れた味わいを実現しています。(公式サイト:CACAO shares)
Coffee Roasters BROWNIのベネズエラパラミート ブラックハニー
職人による丁寧な焙煎で、豆の個性を引き出したブラックハニーです。200gで2,300円(税込み)で購入できる焙煎豆になります。
こちらもCRUISE TOWN COFFEE ROASTERSさんの商品と同じく、解禁後初めて輸出されたロットを使用した、深煎りのコーヒーに仕上がっています。(公式サイト:Coffee Roasters BROWNI)
ベネズエラは20余年ほどコーヒー豆の輸出が止まっていたのですが、駐日ベネズエラ大使の働きかけによって産地や輸出業者など様々な人が協力し、昨年ついに輸出が解禁されました。
その際に選ばれたのがこのパラミート農園のコーヒー豆なのですが、実は輸出先として一番最初に選ばれたのが日本であり、歴史的にも記念すべきコーヒー豆なのです。(引用:Coffee Roasters BROWNI)
ベネズエラコーヒーの希少さがうかがえます。ちなみにブラックハニーとはコーヒー生豆の精製過程で、コーヒーのタネを包むミューシレージ成分を100%残して乾燥させる方法を指します。これをご存じの方はかなりコーヒー好きな方ですよ!
ベネズエラコーヒーの美味しい淹れ方
ベネズエラコーヒーの魅力を最大限に引き出すためには、適切な抽出方法が重要です。その繊細な酸味と味わいを楽しむため、基本的な抽出のポイントから、おすすめの器具まで詳しく解説していきます。
基本の抽出方法とポイント
ベネズエラコーヒーの粉の挽き具合は中挽きが基本です。挽き方が細かいと苦くなり、反対に荒いとベネズエラコーヒー特性の酸味の柔らかさがなくなってしまうためです。
お湯の温度 | 90℃前後が最適 85℃ではまろやかに 92℃では酸味が際立つ |
粉の量 | ブリューレシオ(粉と水の比率)は1:15(1gに対して10gの水)150mlのコーヒーの抽出に粉は10g(お好みで増減) |
抽出時間 | 全体の抽出時間は3分から5分以内 蒸らし時間は30秒ほど 一般的に短いとさわやかに、長いと苦みが出る |
豆の特徴を活かすため、ミネラルウォーターの使用もおすすめです。また、酸味が強いほかのコーヒーとブレンドすると、また違った味わいが楽しめるでしょう。
おすすめの抽出器具
ペーパードリップ方式が最も相性が良いです。抽出器具の種類をまとめてみます。
ペーパードリップ | ベネズエラコーヒー本来の苦みが引き出せる HARIOのV60やカリタのドリッパーがおすすめ V60は、淹れるときのお湯の量を調節できる |
フレンチプレス | 豊かなボディとコーヒーオイルを楽しめる 深煎りを使用するとチョコレートのようなコクが出る |
エスプレッソマシン | 深いコクと甘みが出るベネズエラコーヒーはミルクとの相性が良いため、エスプレッソとして楽しめる |
温度と抽出時間の管理方法
温度計を使用して正確な水温管理を行い、タイマーで抽出時間をコントロールすることが重要です。蒸らしの際は均一に湯を注ぎ、その後は渦を描くように注いでいきます。
粉床が平らになるよう注意を払い、最後まで一定のペースで抽出することがポイントです。
コーヒーの抽出時に水温と抽出時間を計って適切に行うと、本来の味がぐっと引き立つのでぜひ試してみてくださいね!
ベネズエラコーヒーを飲むために
品質の高いベネズエラコーヒーを楽しむためには、信頼できる購入先を見つけることが重要です。以下では、実際にベネズエラコーヒーを入手する方法や、飲むことができる場所について詳しく解説していきます。
ベネズエラコーヒーは日本のカフェで飲める?
現時点(2024年11月時点)で定番として提供しているお店はないようです。今後専門店や高級カフェを中心に、徐々に取り扱いが増えてくることが期待されます。
22年ぶりにベネズエラコーヒーの輸入が解禁された折のロットで、横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ「Chamo Café(チャモカフェ)」が限定的に提供されたことがありました(2024年11月時点では終了、公式サイト:横浜ベイシェラトンホテル)。
高級ホテルや自家焙煎を行うスペシャルティコーヒー専門店、各種イベントなどで、限定で提供されることがありますが、事前に確認することをお勧めします。
ベネズエラコーヒーを飲めるところは?
東京・大阪などの大都市圏を中心のスペシャルティコーヒー専門店で、提供される機会があるかもしれませんが、確実ではありません。また、コーヒーフェスティバルやイベントでも、時折提供される時があります。
自家焙煎カフェでは、豆の販売も行っていることが多いですが、そもそもベネズエラコーヒーの入手自体難易度が高いので、置いてあるショップ自体少ないでしょう。
オンラインでの購入が確実
最も確実な入手方法は、専門のオンラインショップでの購入です。信頼できる焙煎所や輸入業者から直接購入することで、新鮮な豆を入手することができます。また、定期購入サービスを利用することで、常に品質の良い豆を確保することができます。
おすすめのベネズエラコーヒー豆・粉6選でご紹介したのは、フェアトレードにこだわるコーヒーへの情熱と、オーナーの意気を感じるショップです。
直接買い付けなどは難易度が高いので、前述のショップでの購入が安心安全でベストです!
ベネズエラコーヒーに関するよくある質問と回答
ベネズエラコーヒーについて、コーヒー好きからよく寄せられる疑問や気になる点について、専門的な視点から回答していきます。価格帯や味わいの特徴、おすすめの銘柄など、実用的な情報をご紹介します。
ベネズエラコーヒーの値段はどのくらい?
一般的な価格帯は100gあたり600円〜2,500円程度です。特に高品質な単一農園産やゲイシャ種などの希少品種は、100gあたり3,000円以上する場合もあります。
コーヒーは品質や生産年、流通する量によって価格が変わります。ベネズエラコーヒー自体の輸出量が限られており、日本の輸入量も限定的なのが現状です。
一般的なコーヒーと比べると若干割高になりますが、その希少性と品質を考えれば十分な価値があります。
ベネズエラコーヒーはどんな味?
全体的にバランスの取れた味わいが特徴で、やわらかい酸味とチョコレートのような甘みが調和しています。産地によって異なりますが、一般的にナッツやカカオの風味、時にはフルーティな香りも感じられます。
後味は清々しく、苦味が少ないのも特徴です。特にメリダ産は高品質とされ、フローラルな香りと繊細な味わいで知られています。
ベネズエラコーヒーで有名な銘柄は?
メリダ・タチラ・スリヤといった産地名が銘柄として知られています。特にメリダ産のピンクブルボンやゲイシャ種は、国際的なコンテストでも高い評価を受けています。
また、「Hacienda El Carmen」というハシエンダにある伝統ある農園のブランドも、品質の高さで定評があります。この農園にはB&Bスタイルの宿泊施設もあり、コーヒー収穫体験も可能との口コミがありました。(参考:Tripadvisor)
まとめ:ベネズエラコーヒーの魅力と楽しみ方
ベネズエラコーヒーは、その独特の風味と希少性により、世界的に評価の高いスペシャルティコーヒーとして認知されています。標高の高い産地で栽培される豆は、軽やかな酸味と芳醇な香りを持ち、コーヒー愛好家から高い支持を得ています。
適切な抽出方法と保存管理を行うことでその魅力を最大限に引き出せます。特に、中煎り〜中深煎りでの焙煎が最適で、ドリップ方式での抽出がおすすめです。
現在はスーパーやECサイトでの入手がなかなか難しい状況ですが、信頼できるスペシャルティコーヒー専門店から購入により、高品質な豆を確保できます。
ベネズエラコーヒーの持つ豊かな味わいと文化的な背景を理解することで、より深いコーヒーの世界を楽しむことができるでしょう。
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