浅煎りコーヒーをまずいと感じる5つの理由とは？特徴や美味しい淹れ方も解説

近年注目を集めている浅煎りコーヒー。

でも浅煎りコーヒーを飲んだとき、

「酸っぱい」
「まずい」
「なんだか薄い…」

そう感じたことはありませんか？

実は浅煎りコーヒーに苦手意識を持つ人は多く、特に深煎りに慣れている方ほど浅煎りの酸味や香りが強く感じられ、戸惑うことも少なくありません。

しかし、スペシャルティコーヒーの市場では、豆本来の風味を最大限に活かせる浅煎りが主流です。

今回の記事では、浅煎りコーヒーの特徴や「まずい」と感じる理由を解説します。

また、おすすめの浅煎り豆、「まずい」と感じたときの対処法、美味しく飲むための淹れ方も紹介します。

浅煎りコーヒーが苦手な方でも、きっと新しい発見があるはずです。

浅煎りコーヒーの特徴

浅煎りコーヒーの特徴は、主に次の3つです。

• 酸味
• フルーティーさ
• 軽やかな後味

コーヒー豆は「コーヒーチェリー」と呼ばれる果実の種で、本来フルーツとしての甘みや酸味を持っています。

この種を乾燥させて焙煎することでコーヒー豆になりますが、焙煎時間が短いほど果実由来の酸味や甘さが強く残ります。

逆に、焙煎が深くなるほど苦味が増し、酸味は穏やかになります。

浅煎りは焙煎時間が短いため、こうした特徴がそのまま感じられるのが魅力です。

生産地ごとの個性や風味を大切にするスペシャルティコーヒーの市場では、豆本来の味わいを最大限に活かせる浅煎りが主流となっています。

浅煎りコーヒーがまずいと感じる5つの理由

浅煎りコーヒーがまずいと感じる理由は以下の5つです。

• 強い酸味
• 豆の品質
• 焙煎不良
• 間違った抽出方法
• 味覚の違い（薄い・酸っぱいと感じる）

順番に解説します。

理由①｜強い酸味

理由の1つ目は、強い酸味です。

日本人の味覚傾向では、「酸っぱい味」は食品が劣化・腐敗したときに感じるものという印象があります。

そのため、浅煎りコーヒーの酸味をネガティブに受け取ってしまう方も少なくありません。

また、浅煎りコーヒーの中にはレモンやグレープフルーツのような柑橘系、あるいはベリー系のような果実味を感じるものも。

フルーティーな酸味に慣れていないと、「思っていたコーヒーの味と違う」「これはまずい」と感じるかもしれません。

理由②｜豆の品質

理由の2つ目は、豆の品質です。

浅煎りは豆本来の風味がしっかりと残るため、「まずい」と判断されがちです。

その理由は、未熟な豆や「欠点豆」と呼ばれる品質の低い豆が混ざっていると、酸味ではなく「酸っぱさ」や「えぐみ」を感じるからです。

深煎りでは苦味に隠れていた豆の欠点も、浅煎りでははっきりと味に表れます。

そのため、浅煎りコーヒーを美味しく味わうには、スペシャルティグレードなど品質の高い豆を選ぶことが欠かせません。

理由③｜焙煎不良

理由の3つ目は、焙煎不良です。

浅煎りは豆の芯までしっかり火を通すのが難しく、焙煎技術が未熟だと「芯残り」が起きやすくなります。

芯に水分が残ることで、青臭さや生っぽさといった不快な風味が出ます。

また、浅煎りは焙煎が非常に繊細で、温度変化や焙煎時間のわずかな違いでも味が大きく変化します。

技術力の差がそのまま味に反映されやすいため、焙煎が甘いと「酸っぱいだけ」「まずい」と感じられてしまうのです。

理由④｜間違った抽出方法

理由の4つ目は、間違った抽出方法です。

浅煎りコーヒーは豆本来の酸味や香りがしっかりと感じられるのが魅力。

一方で、抽出条件は非常にシビアです。

中煎りや深煎りと同じ感覚で淹れてしまうと、酸味やえぐみだけが強調され、バランスの悪い味わいになってしまいます。

特に重要なのが、湯温、挽き目、抽出時間の3つ。

ただなんとなく淹れるだけではなく、豆の個性に合わせた抽出を心がけることが、浅煎りを「まずい」から「美味しい」へと変える、大きなポイントです。

理由⑤｜味覚の違い（薄い・酸っぱいと感じる）

理由の5つ目は、味覚の違いです。

浅煎りコーヒーを「薄い」「すっぱい」と感じる背景には、普段飲み慣れている味とのギャップがあります。

日本では深煎りコーヒーが長く主流だったため、「コーヒー＝苦味」というイメージを持つ人が多く、苦味が控えめな浅煎りは物足りなさを感じやすいのです。

また、深煎り特有のコクや香ばしさに慣れていると、浅煎り特有のフルーティーな酸味は「予想外の味」に思えることもあります。

これは味覚の違いではなく、あくまでこれまでの経験からくる自然な反応といえるでしょう。

市販の浅煎りコーヒー豆おすすめ5選

市販の浅煎りコーヒー豆のおすすめは、次の5つです。

• 土居珈琲「軽い味わいの浅煎りブレンド」
• ロクメイコーヒー「エチオピア イディド ナチュラル」
• TOKYO COFFEE「東ティモールフェアトレード コーヒー」
• Scrop COFFEE ROASTERS「パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ プライベートコレクション」
• INIC coffee「ロースタリー Medium Roast」

順番に紹介します。

1.土居珈琲「軽い味わいの浅煎りブレンド」

出典：土居珈琲 公式サイト

土居珈琲「軽い味わいの浅煎りブレンド」は、焙煎士・土居博司氏が浅煎りの美味しさを届けたいという思いで仕上げた一品。

ブラジル・コロンビア・グァテマラの3種の豆がバランスよく配合されており、焙煎度合いは2種類から選べます。

豆本来の酸味とやさしい甘みが引き立つ、毎日飲みたくなるような軽やかな味わいです。

価格は100g 1,159円（税込）で、公式サイトやネット通販サイトから購入できます。

2.ロクメイコーヒー「エチオピア イディド ナチュラル」

出典：ロクメイコーヒー 公式サイト

ロクメイコーヒー「エチオピア イディド ナチュラル」は、南エチオピア・イルガチェフェ地区で育った豆を中浅煎りで仕上げた一杯。

完熟チェリーを思わせる芳醇な香りと、ジューシーな酸味・甘みが特徴です。

冷めてもミックスベリーのような複雑な風味を楽しめます。

このコーヒーがきっかけでフルーティーなコーヒーが好きになったという声も多く、浅煎りコーヒー初心者にもおすすめの一品です。

価格は150g 1,980円（税込）で、公式オンラインショップから購入できます。

3.TOKYO COFFEE「東ティモール フェアトレード コーヒー」

出典：TOKYO COFFEE 公式サイト

TOKYO COFFEE「東ティモール フェアトレード コーヒー」は、東ティモールの小規模農家が手作業で栽培・精製したフェアトレード豆を使用。

自家焙煎による浅煎りで仕上げられた豆は、ブラックベリーやライムを思わせるさわやかな酸味と、やさしいバニラのような甘さが感じられます。

クセがなく軽やかな味わいで、浅煎りコーヒー初心者や酸味が苦手な方にもおすすめです。

価格は100g 1,050円（税込）で、公式サイトやネット通販サイトから購入できます。

4.Scrop COFFEE ROASTERS「パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ プライベートコレクション」

出典：Scrop COFFEE ROASTERS 公式サイト

Scrop COFFEE ROASTERS「パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ プライベートコレクション」は、浅煎りに挑戦したい方に試してほしい一品。

パナマ・エスメラルダ農園は、世界的な品評会「Best of Panama 2025」で史上初の3冠を達成した名門農園です。

希少なゲイシャ種の中でも選び抜かれた豆は、ジャスミンのように華やかな香りと、レモンティーを思わせる明るい酸味、ほのかな甘さが調和したやさしい味わいが特徴。

軽やかで飲みやすいため、「浅煎りはすっぱいだけ」と思っていた方にもきっと驚きの発見があるはず。

価格は100g 6,380円（税込）で、公式サイトやネット通販サイトから購入できます。

5.INIC coffee「ロースタリー Medium Roast」

出典：INIC coffee 公式サイト

INIC coffee「ロースタリー Medium Roast」は、エチオピア産最高級品種イルガチェフェG-1を贅沢に使用したシングルオリジンのスペシャルティコーヒー。

豆の選定から焙煎、粉末化まで一貫して品質にこだわっており、インスタントとは思えない本格的な味わいが楽しめます。

浅煎りならではのフルーティーな風味を活かした仕上がりで、みずみずしい飲み口と爽やかな酸味が特徴です。

お湯を注いでたった5秒で完成するため、浅煎りをまずは試してみたい方に最適。

浅煎り初心者でも飲みやすく、新しいコーヒーの魅力に気付ける一杯です。

価格は3本入り821円（税込）。

公式オンラインショップやネット通販サイトから購入できます。

浅煎りコーヒーのおいしい淹れ方

浅煎りコーヒーのおいしい淹れ方は、次の3つです。

• 湯温は低め（85〜90℃が目安）
• 抽出時間をやや長め
• 粗めに挽いて、ハンドドリップで淹れる

順番に見ていきましょう。

淹れ方①｜湯温は低めに（85〜90℃が目安）

浅煎りコーヒーにおすすめなのが、85〜90℃のやや低めの湯温。

浅煎りの繊細な風味を壊さず、果実感や香りをきれいに引き出せます。

酸味をバランスよく整えてくれる扱いやすい温度帯です。

浅煎り豆は内部が硬く、深煎りに比べて味が出にくい特徴があります。

そのため、温度が高すぎると酸味が強くなり、逆に低すぎると味が薄くなるという繊細さがあります。

85〜90℃は、その中間で風味が安定しやすい温度帯。

沸騰したお湯を30〜40秒ほど置くだけで簡単にこの温度になります。

淹れ方②｜粗めに挽いて、ハンドドリップで

浅煎りコーヒーにおすすめなのが中粗挽きです。

粗めに挽くことで雑味が出にくく、きれいな味わいに仕上がりやすいため、スペシャルティーコーヒー特有の複雑で豊かな風味を存分に楽しめます。

また、中粗挽きにすると抽出時間が適度に長くなるため、味のコントロールがしやすいのもメリット。

水がスムーズに通ることで、浅煎りらしい軽やかな酸味や透明感のある香りが素直に引き出されます。浅煎りコーヒーを楽しむ方法として最もポピュラーなのがハンドドリップ。

香りを逃さず、味のバランスを細かく調整できる一方で、淹れる人の技術によって味が大きく左右されます。

そのため初心者の場合は、最初は少量ずつ淹れて変化を確かめながら、自分の好みの味わいを見つけていくのがおすすめです。

浅煎りコーヒーをまずい・薄いと感じたときの対処法

浅煎りコーヒーを「まずい」「薄い」と感じたときの対処法は、次の3つです。

• 浅煎りコーヒーの酸味を抑える
• アイスコーヒーにして飲む
• ミルクやオーツミルクと合わせてみる

浅煎り豆は深煎り豆にくらべて繊細で、抽出条件を少し整えるだけで味が大きく変化します。

順番に見ていきましょう。

対処法①｜浅煎りコーヒーの酸味を抑える

浅煎りの酸味を抑えたいときは、まずお湯の温度を下げるのが効果的です。

90℃以上だと酸味が出やすいため、85〜90℃に下げるだけで印象がまろやかになります。

また、豆量を少し増やす方法もおすすめです。

抽出濃度が上がることで全体の厚みやコクが増し、酸味だけが目立つのを防げます。

対処法②｜アイスコーヒーにして飲む

浅煎りをアイスコーヒーにして飲むことで、酸味が抑えられ、やわらかくまろやかな印象になります。

低温では酸味の刺激が和らぎ、フルーツのような爽やかさだけが残るため、浅煎りコーヒーの魅力をすっきり楽しめます。

特にスペシャルティコーヒーの浅煎りは、冷やすことで果実感がクリアに表れ、ジュースのような透明感のある味わいに変化します。

抽出は通常より濃いめにして、熱いコーヒーを氷で一気に冷やす「急冷式」がおすすめ。

湯で抽出しているため香りがしっかり残り、コクがありながらも後味がすっきりしたアイスコーヒーに仕上がります。

「酸っぱくて飲みにくい」と感じた浅煎りでも、アイスにすると驚くほど印象が変わります。

対処法③｜ミルクやオーツミルクと合わせてみる

浅煎りコーヒーをどうしても「まずい」と感じるときは、ミルクやオーツミルクと合わせてみるのも有効な方法です。

ミルクの脂肪分やたんぱく質が酸味をやわらげてくれるため、酸味が苦手な方でも飲みやすく感じる場合があります。

浅煎りの果実味とミルクの自然な甘みが重なると、ミルクティーのようなやわらかい風味に変化します。

まとめ：浅煎りコーヒーをまずいと感じる5つの理由とは？特徴や美味しい淹れ方も解説

浅煎りコーヒーを「まずい」「酸っぱい」と感じるのは、多くの場合、豆の個性と抽出条件が合っていないだけで、必ずしも浅煎りそのものが原因ではありません。

豆選びや湯温、挽き目、抽出時間を少し変えるだけで、驚くほど味わいが整い、浅煎りの果実感や透明感がぐっと引き立ちます。

最初は違和感のある味でも、飲み続けるうちに風味の良さや個性がわかるようになるのがコーヒーの面白さ。

ぜひこの記事を参考に、あなた好みの浅煎りコーヒーの楽しみ方を見つけてください。